こころの体操(産業医コラム)

本当は身近な「メンタルヘルス」

こんにちは。産業医の得津です。
産業医というのは一言でいうと、健康を維持・向上するために職場の皆さんと一緒に活動する医師です。日々の職場の健康相談では、身体だけではなく心についての様々な悩みを伺う機会がますます増えています。

健康なときはあまり気にすることもない心の健康について少しでも身近に感じて頂けるよう、こちらのスペースではお役に立てるような情報をわかりやすくお届けしていきたいと考えています。

心の健康は「メンタルヘルス」と呼ばれます。このメンタルヘルスが不調になると、元気がなくなったり、不安になったりなど、生活や仕事にさまざまな影響が生じてしまいますが、どれぐらいの方がメンタルヘルスで困っているのでしょうか。

メンタルヘルス不調により休業されている方の割合は0.4%と報告されています(1)。もちろん、休業に至らないまでもメンタル上の問題を持っていらっしゃる方はこれよりもっと多いと考えられます。また、メンタルヘルスに問題を抱える方がいらっしゃる職場は小さな会社から大きな会社まで含めて全体の6割程度といわれ、この割合は増えてきています。

特に、医療・福祉関係の職場ではこの割合が7割を超えているという状況があります。職場に対するアンケートによれば、コミュニケーションと仕事の量・責任が増えていることをこの要因として回答した職場が多くなっています(1; p17 図表2-13)。

医療や福祉に携わる方は、患者さんや利用者の方との十分なコミュニケーションが日々求められますし、生命や生活を支えるためにその責任も大きいことが、メンタヘルスに影響していることが考えられます。

また日本全体で考えると、1度でも「うつ病」等と診断された方は、100万人を超えています(2)。これは、100人の学年があるとすれば、そのうち1人は「うつ病」等になったことがあるとも考えることができます。

このように考えると、職場においても、身の回りにおいても、メンタルヘルス不調は決して珍しいことではないと感じるのではないでしょうか。十分な心のケアをしていないと、誰もが不調をきたしてしまう可能性があります。ご自身のためにも、周りの方のサポートのためにも、まずはメンタルヘルスのことを知って頂くことで、予防や早期発見につなげていただければ幸いです。

次回以降は、しばしばメンタルヘルスの要因になるといわれている、ストレスについてお話したいと思います。


参考文献
(1)労働政策研究・研修機構 職場におけるメンタルヘルス対策に関する調査
(2)厚生労働省 患者調査

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