こころの体操(産業医コラム)

コロナをうつさないかと不安になったら

こんにちは、産業医の得津です。

2020年4月の緊急事態宣言以降、初の冬季を迎えるにあたっては、気温や湿度が下がるといった機構の変化による感染性への影響に加え、経済へのさらなる悪影響を防ぐために経済活動の制限にも慎重な姿勢が強まることから、新型コロナウイルス感染者はますます増えていくことが懸念されています。

 

新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすい高齢者の方が介護施設を利用なさっていますが、現在、そういった施設では従来からの通常業務に加えて、感染防止対策を進め継続することで、業務負担が大きい状態ながらも、現場の職員の皆さまの努力によって、介護施設での感染は最小限に抑えられていると考えられると思います。

 

しかしながら、冬季の感染者の増加によって、日常生活で感染をしてしまうリスクは大きくなることが予想され、また、インフルエンザ等、発熱を伴う風邪症状も増えてくることから、「自分が利用者にコロナをうつしてしまうのではないか」「自分が施設内のクラスター感染を引き起こしてしまうのではないか」という不安の声が多く寄せられています。

 

このようなことを背景に継続する不安が慢性的なストレスとなり、メンタル不調を起こしてしまっている方がいらっしゃいます。実際、生活のために買い物をすることは免れませんが感染することを不安に思うあまり人がたくさんいる時間帯にスーパーに買い物に出かけられなかったり、公共交通機関を避けるために長い距離を自転車で通勤したりといったように、コロナの影響で生活の時間帯が大きくずれてしまい、それが日常的な負担となってしまっている方も多くいらっしゃいます。

 

たしかに、感染のリスクをなるべく減らすことは自分だけでなく周りの人にとっても大切なことです。そのためには適度な不安を感じることで安全な行動を取ることができるのは事実です。しかしながら、その不安が過度な大きさになることによって、日常生活に大きな支障をきたしてしまったり、負担が多くなることで体調を崩してしまったり、不安そのもののストレスによってメンタル不良となってしまうのは本末転倒ともいえます。

 

新型コロナウイルスの感染メカニズムとその予防方法についてはすでにかなりの部分が明らかになっています。手洗いや消毒、マスクを着用し換気を行う、多くの人が密集した状態を長時間作らない、発熱などの症状が生じた場合は自宅療養を行う、といった対策で多くの場合は予防が可能です。

 

そしてなによりも、新型コロナウイルスに感染しないためには、免疫力を高める必要があります。感染対策をしっかり行っているにも関わらず、感染を過度に不安に思ってしまうことで生じる身体的な疲れや精神的なストレスは、免疫を下げることで結果的に免疫を下げてしまうことにもつながりかねません。

 

不安自体は感じて当然ですし、感じる必要もあります。しかし不安が大きすぎると自分自身で感じたときは、その不安に飲み込まれず、かつ目を背けるわけでもなく、むしろ不安に感じているご自身を客観的に把握してみてください。

 

そのためには、不安な気持ちを書き出してみたり、人に相談することも、不安を把握する方法といえます。また、心に余裕がある状態で、自分の不安な気持ちを冷静な目で見ることで、それが過度な不安であるということをきちんと考えることができれば、その不安は感じる必要のないものとして徐々に捉えることができるようになると思います。

 

もちろん、心に余裕がないときは、そのように冷静に自分自身の気持ちを捉えることができなくなることもあるでしょう。そういった場合は、ぜひとも当サイトのカウンセリングやチャット相談を利用してみてください。「なにかよくわからないが不安な気持ちがある」というだけで十分です。ご連絡お待ちしております。

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