JSここメン | 公益社団法人 全国老人福祉施設協議会

「家に帰っても仕事のことを考えてしまいます」

 

こんにちは、産業医の得津です。

 

暑く感じる日が増えてきましたね。夏が近づくと疲れが溜まってきてしまうのでどうにかしたいという相談がありました。特に、休みの日や家に帰ったあとにも仕事のことを考えると、疲れがしっかりとれずに翌日に疲れを持ち越してしまうかもしれません。

 

仕事をする上でうまくいったことを繰り返し考えるなら今後の自信にも繋がりますが、家に帰っても考えてしまうことといえば、心配なことについて考えることも多いと思います。仕事上の失敗や終わらなかった仕事、上司や同僚に怒られたことや不快な思いをしたことなど、ネガティブな感情について繰り返し考えてしまうと、せっかく仕事場を離れて自分の自由に時間になったとしても気持ちが休まりませんよね。

 

このように、自分のプライベートな時間にも仕事のことを考えてしまいがちなのは、とても真面目な方に多いかと思います。家に帰っても仕事のことを考えつづけて心が休まらない状態が続いてしまうのは、職場を離れていても残業しているようなものです。長期間そのような状態が続けば、心身ともに疲れ切ってしまうのも無理はないでしょう。職場を離れる時間を自身の休息時間に充てて心身の回復を図るためにも、仕事のことを自宅で考えないようにする工夫が大切です。

 

そこで、自宅で仕事のことを考えないようにするための3つのアイディアをお伝えします。

 

1.家に帰る時間を有効活用

職場と自宅の移動時間は、頭のモードのオンオフを切り替えるのに最適な時間です。ユニフォームから私服に着替える、タイムカードを押す、職場の建物のドアを開けて外に出る、といった仕事から解放される瞬間を「オフ」のモードにするスイッチとして活用するのはいかがでしょうか。何気ない毎日の些細なルーティンの中にスイッチがあると、頭の切り替えもしやすくなることと思います。景色に目を向けたり、スマホでゲームをしたり、仕事を忘れてプライベートに向かう時間として家に帰る時間を活用してみるのもいいかもしれません。

 

2.寝室は絶対的安全空間に

仕事のことを思い出すようなもの、例えば職場用の携帯電話やノートパソコンなどを寝室に置かないようにしましょう。寝る間際に仕事を思い出すようなものを目にしてしまうと、電気を消していざ寝ようとしてもそれが頭にちらついてしまって、寝つきが悪くなる可能性があります。良質な睡眠は心身の回復に必須です。寝室に行けば仕事のことを完全に忘れる、という環境を整えれば、自身にとって癒しの空間になることでしょう。

 

3.自宅で出来るリラックス・気分転換方法を

自分なりのリラックス方法を試してみることも大切です。お風呂にゆっくり入ったり、自分の好きな音楽を聴くなど、気持ちを落ち着けることをするとよいでしょう。 また、自宅で休もうと思っても、休んでいる自分に罪悪感を感じて落ち着かなくなり、身体は無理に休めようとしていても結局心は休まらないこともあるかもしれません。そのような時は、身体に負荷のかからない単純作業や狭い範囲の家事などを行なって、家の中での用事を作ってみるのもいいかもしれません。

 

このように、ご自分にあった様々なアプローチで家に帰っても仕事のことを考える状態を和らげることができるかもしれません。早速、明日の仕事の後から試してみて頂けましたら幸いです。

JSここメンではメール相談を受け付けています。仕事のことが頭から離れなくて困っていらっしゃる方はぜひご相談ください。