JSここメン | 公益社団法人 全国老人福祉施設協議会

ネガティブな情報に注意

こんにちは、産業医の得津です。

 

 

毎朝、テレビをつけてニュース番組を観るのが習慣になっていないでしょうか。テレビ番組では将来の不安を煽るような内容が流されることが多いように思います。もちろん最新情報を手に入れることは大切ですが、不安な気持ちになる情報にいつも晒されることで、漠然とした不安の中で日々過ごしてしまうということもあるかもしれません。

 

 

世の中で起きた様々な事件や事故、不祥事といった情報に接すると、 朝からネガティブな気持ちになってしまいます。 自分には直接関係のない出来事に対しても不安や怒りといった感情を引き起こすことは、少なからずストレスの要因となってしまうでしょう。

 

 

SNSやニュースアプリの使用に関しても注意が必要です。信頼性が疑わしい情報に基づいて投稿された内容に目が行きがちですが、そのような内容ばかりを見てしまうと、 そのアプリは不安になるコンテンツをたくさん表示するようになってしまうこともあります。見ている内容に応じて表示する内容が最適化されるためです。

 

 

このような機能は個人の興味に合わせて内容を変えてくれるという意味では便利な一面もある一方、不安を際限なく煽ってしまったり、疑わしい情報ばかりを目にしてしまうということにもつながります。

 

 

例えば、新型コロナウイルスワクチンに関連する情報にしても、副反応などの悪い面ばかりが強調されたり、陰謀論など定かではないデマが拡散されているのをよく目にします。ワクチンの接種をした後に重症になった例などが取り上げられていますが、 そもそもそれがワクチンによって引き起こされたかどうか、疑わしいような情報も多くあります。

 

 

確かにワクチンによって副反応は出ることは数少ないながらもあるのだと考えられますが、少なくともワクチンを接種しないことによって生じるデメリットも考慮して、総合的に判断する必要があると思います。

 

 

昨年も効果のない感染対策や、適切ではない行動を煽るような情報が広まりました。例えば、トイレットペーパーの買い占めなどが起こったことは記憶に新しいと思います。 冷静に考えるとおかしいと気づくようなことでも、集団の不安というのは不確かな情報によって簡単に引き起こされてしまうのです。

 

 

このように、テレビやインターネットといったメディアが届ける情報は、心理的にネガティブな効果を及ぼすことがあります。大切なのは、メディアから一方的に情報を受け取るというのではなく、自分自身が主体的に情報をコントロールするという態度です。意味もなくテレビをつけていたり、SNSの情報を鵜呑みにするのではなく、必要な情報は信頼できる情報源に自分で取りに行くことが大切です。

 

 

心配をしても仕方がないことについて心配をしてしまうのは、単にストレス要因を作り出しているにすぎないわけですから、そのような情報源とは距離をおきましょう。本当にその情報源に自分の意志で接しているかどうかをよく考えてみてください。

 

 

そしてむしろ、自分がどのような情報を目にするとリラックスをしたり前向きな気分になるのかを考えてみましょう。朝から好きな曲を聴いても良いですし、楽しかった思い出の写真を部屋においてみても良いでしょう。ポジティブなことを日記に書くということも以前お話しました。

 

 

日常に不安はつきものです。だからこそ、その不安を引き起こすネガティブな情報や出来事をできるだけコントロールし、自分がポジティブな環境づくりをするよう心がけて頂ければと思います。