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悩みごとの相談を受けたら?「相手の立場に立つ」4つのポイント

こんにちは、産業医の得津です。

 

 

職場だけでなく友達や家族の悩みや愚痴を相談するような機会があるのではないでしょうか。 そしてそれと同じくらい相談されることもあるでしょう。そのような時にどのように相手に接するのか良いのかということについてお話ししたいと思います。

 

 

まず、大原則は相手の立場に立って話を聞いて理解するということです。これは当たり前に思うかもしれませんがなかなか難しいことです。というのも、人間というのは考え方や体験してきたことが違うわけで完全に相手の気持ちを理解するというのは当然のようにはできません。場合によっては、相手が本当に求めていたような反応ができず、途中で口を挟んでアドバイスをしてしまうことで相手の機嫌を損ねてしまうこともあるでしょう。

 

 

では相手の立場に立つというのはどういうことでしょうか。それは自分も同じような気持ちになるというわけではありません。相手が置かれた状況と相手がそれをどのように解釈しているかを知ることで、なぜ相手がそのような気持ちになっているかということを知るということです。「なるほど、だからその人はそういう気持ちになっているんだ。」ということが分かるということです。

 

 

ここで注意しなければならないのは、相手の解釈やその気持ちに対して、 良い悪いといった解釈や判定を自分がする必要はないということです。むしろそのような解釈や判定を下してしまうことは、相手が話しにくい環境を作ってしまうかもしれません。それが一見どれだけおかしく感じたとしても、そしてそれがどのような理由であれ相手がそのような気持ちになっているという事実を受け入れる必要があります。

 

 

その上で次の4つの技法を取り入れてみることをお勧めします。これらは、米国の臨床心理学者カール・ロジャーズが提唱したコミュニケーション技法のひとつです。これらの技法は慣れないうちはわざとらしく感じて違和感をもってしまうかもしれませんが、このような技法を取り入れることで、むしろ自分が相手の話を積極的に聞き入れられるようになってくることに気づくはずです。

 

 

まず、話を聞いているということを相手に認識してもらうということです。そのためには必ず相槌を打つ必要がありますし、体は相手の正面に向けて、相手の内容に応じて頷いたり、相手の表情に反応することで、相手が安心して話ができるようにします。相槌を入れるタイミングも重要です。相手が話し切らないうちに相槌を入れたり、途中で口を挟んだりすると、逆効果となってしまいます。

 

 

次に、相手の言葉を繰り返すということです。単に繰り返せばいいというわけではなく、相手が次の話をしやすくなるように促すように繰り返します。例えば、「そんなことがあったんですね」「そんなことを言われたんですか」といった内容です。すると相手も、「そうなんです。それで・・・」と話がしやすくなります。

 

 

そして、相手の感情を繰り返すということです。「それはきつかったですね。」「そんなに面白いことがあったんですか。」というように、自分が相手の気持ちの変化にきちんと付いて行っているということを相手に伝えると、相手はきちんと自分の思いが伝わっているということを感じながら安心して話を続けることができるのです。

 

 

最後に、時々質問をしてみることです。「それって○○ということですか?」「なんでそのようになったんですか?」などというように、ポイントとなる部分を掘り下げることで、相手の話の核心に近づくことができます。これは、相手の話に対して自分が興味を持っているということを伝えることができます。また質問をすることで、相手は話の内容を整理しながら話すことができます。

このように、相手が話にして話ができるような環境を作ってあげることが重要です。そうすると、相手は

 

話しながら話の内容や気持ちが整理されていき、自分自身を客観的に見つめることができるようになっていきます。 大げさに聞こえるかもしれませんが、このように人に話すということ自体が一種のカウンセリングとなっていると考えることもできます。

 

 

ですから、まずは相手が話をしっかりできるようにリードしていくことが大切なのです。聞き手としては、相手が自分の状況を整理しているプロセスに伴走していくようなイメージで望むとうまくいくかもしれません。

 

 

逆に、相手の気持ちがどんどんヒートアップしてきた場合は、相手が冷静になれるように話をリードすることも必要です。「つまり、それって○○ということ?」などと言って整理してあげるとよいでしょう。

相手と同じ気持ちにならなくていいのです。相手が話しやすいような環境を作って、相手がどういう状況でその気持ちになったかということに注目することを忘れないようにしてください。