こんにちは、産業医の得津です。
夜勤中の過ごし方についてお話ししようと思います。日常的に夜勤をしていても、睡眠のリズムは日中を中心としたものになっていますので、当然ですが、夜になると眠気を感じるようになります。夜勤によく入られている方であればすでにお気づきのことかと思いますが、深夜3時から早朝6時までが最も眠気を感じる時間帯だと言われています。
そして、この時間帯には事故が起きやすいということも言われていますので、この時間帯に集中力を要するような作業はなるべく行わないようにした方が良いでしょう。ダブルチェックなどを行うことによって、ミスが生じないようにするような心がけも必要です。
このような夜勤での負担や事故の防止、そして夜勤後の疲れを溜めないためにも仮眠をとることが大切だと言われています。具体的には夜勤の時間帯のどこかで2時間以上の仮眠をすることが目安となります。
また、仮眠はなるべく椅子の上などで行うよりも、仮眠室でしっかり寝ることが大切です。この時、仮眠室の環境にも注意をする必要があります。
仮眠といっても通常の睡眠と同じように音や光には注意をする必要がありますし、リラックスして眠ることができるような寝具や服装などの工夫をすると良いでしょう。設備的に光や音の遮断が難しい場合は、アイマスクなどを取り入れてみてはいかがでしょうか。
そして、意識的に仮眠の時間を確保することが必要です。2時間以上のまとまった時間をとって仮眠ができるよう仕事の段取りを考える必要があります。施設によって業務内容は違いますので、巡視の時間帯や記録をつけるタイミングなど、新しく夜勤に入られる方はどのような工夫ができるか、依然から夜勤をされている方にアドバイスをもらうと良いでしょう。
それに加えて、複数人数で夜勤に入る体制の場合は、周囲の人は仮眠をしている人を、緊急時を除いてなるべく起こさなくていいように心掛ける必要があります。夜勤者複数名で対応すべき緊急性の高い事態の運用や他の仮眠している方を起こさずとも対応できる事態の運用について予め整理し、取り決めておくとお互いの仮眠時間を確保しやすくなります。
一方、仮眠以外の時間帯にはしっかりと起きておく必要があります。眠気を防ぐためには、夜食はあまり食べ過ぎないようにしましょう。夜食の量が多くなってしまいがちの方は、夜勤前の通常の夕食の時間帯に食事をとっているかどうかを確認してください。夜勤前の夕食を抜かないことが重要です。
また、施設内は日中に比べて暗くなっているかと思いますが、夜勤時間中で勤務する時間帯は、なるべく明るい環境で過ごすようにすれば眠りを感じにくくなります。それでも眠りが強くなってしまった場合は、ストレッチをしたり立ち上がる作業をしたりするなどして体を軽く動かすと良いでしょう。ただし夜勤の時は日中に比べて負担は大きくなりがちですから、あえて活動の量は増やしすぎないようにしてください。
このように、夜勤中は眠気対策を行うのと同時に、2時間以上のまとまった時間の仮眠を取れるようにするために仮眠をする環境の整備や職務の運用を検討する必要があるのです。
特に環境面の改善に関しては各施設の協力も必要になるかと思いますが、まずはアイマスクの着用などご自身でもできる範囲で、工夫してみると良いと思います。
次回は夜勤明けのポイントについてお話したいと思います。